突発性難聴は、内耳の機能異常によって突然に起こります。内耳は音を脳に伝える役割を果たしており、そこに何らかの障害が発生すると聴力が低下します。

1. 内耳の炎症説

突発性難聴が内耳の炎症で起こるという説は、血流障害や免疫反応の異常が関連しているという考え方に基づいています。

しかし、必ずしも「炎症」によって起こるわけではなく、内耳の構造や機能が一時的に【何らかの障害を受ける事】が主な原因とされています。

例えば、ウイルス感染や免疫系の異常が関与している可能性もありますが、これらすべてが突発性難聴に当てはまるわけではなく、内耳の炎症という単純な説明では完全に説明しきれない部分があるのです。

2. ステロイド治療が効かない理由

突発性難聴にはステロイドが用いられますが、必ずしも効果を示すわけではありません。その理由として以下のような点が挙げられます：

• 炎症ではない: 例えば、炎症の場合には、ステロイドが有効ですが、筋緊張などで血流障害やリンパ液障害が起こり、神経圧迫を起こしている場合には効果が見られません。

• 発症のタイミング: 炎症による突発性難聴の場合、早期に治療を受ければステロイドが有効ですが、時間が経過してしまうと、内耳の損傷が進行して、ステロイド治療が十分な効果を示さない事があります。

3. 鍼治療で回復する理由

鍼治療が突発性難聴に効果を示す理由は以下の点から説明できます。

• 血流改善効果: 鍼は血行を改善する事ができ、内耳への血流が良くなる事で、聴覚機能の回復が促進されます。特に内耳の血流が不十分な場合、鍼がその改善に効果を示します。

• 神経の刺激効果: 鍼治療によって神経系が刺激され、聴神経から脳への伝達機能が改善されます。また、鍼は自律神経に働きかけ、体全体の調和を促進する事が知られており、その結果として聴力の回復が期待できます。

• 免疫系の調整効果: 鍼治療は免疫系を調整する働きがあり、免疫機能のバランスが崩れている場合には、鍼によって免疫機能が回復、改善されます。

結論

突発性難聴の原因は多岐にわたり、内耳の炎症が関与することもありますが、必ずしもそれが唯一の原因ではありません。ステロイド治療が効果を示さない理由としては、ステロイドが効果を出す炎症が原因ではなかった事などが考えられます。

鍼治療が有効である理由は、ステロイドが効果を出さない突発性難聴でも、血流改善や神経刺激、免疫調整といった効果がある為、突発性難聴の回復をサポート出来る事です。病院での治療で回復が見られなかった場合は、ぜひ当院に一度ご相談下さい。