鍼治療がカラダの不調を整える理由は、東洋医学に基づく考え方にあります。

東洋医学では、カラダの健康は「気」、「血」、「水」のバランスによって保たれていると考えます。これらの要素が適切に循環し、調和を保つことが健康な状態とされますが精神的、肉体的ストレスや、不規則な食事や生活などによって、これらのバランスが崩れることがあります。

鍼治療は、この乱れたバランスを整える手段として使われます。

1. 気の流れを整える

「気」とは、生命エネルギーとも言われ、全身を巡るエネルギーの流れです。鍼を特定のツボに刺すことによって、気の流れを調整し、滞っている気の流れを改善します。この施術により気のエネルギーバランスが整い、健康を維持するためのエネルギーが循環しやすくなります。

2. 血行促進

鍼には血流促進効果があります。血液の循環が悪くなると、身体に必要な栄養や酸素が届かずカラダの不具合が起こりやすくなります。鍼を打つことで、血流が促進され、体内の組織が必要とする栄養が供給され体調が回復します。

3. 自律神経の調整

鍼は乱れた自律神経を整える働きがあります。現代社会ではストレスや不安、過労などで交感神経が優位になりがちですが、鍼は副交感神経を活性化し、リラックス状態を作ります。これにより、心身のバランスが整い、過度な緊張や疲れを解消します。

4. 内臓機能の改善

鍼治療は内臓の働きにもアプローチします。様々な疲労から内臓が弱ったり、機能低下が起こると、全体に様々な悪影響影響を及ぼします。鍼は内臓の働きを正常化させ、消化器系や免疫系の機能を高めることが期待できます。

5. ホルモンバランスの調整

ホルモンバランスの乱れは、体調を崩す原因の一つです。鍼治療はホルモンの分泌を調整する作用があり、特に女性の月経不順や更年期症状の改善に役立ちます。これにより、身体全体のホルモンバランスが整い、心身の調和が取り戻されます。

6. 痛みの軽減

鍼は痛みを緩和する効果もあります。痛みの原因となる筋緊張や炎症を和らげ、神経過敏を抑える事もできます。痛みの軽減が進むことで、身体のストレスが減り、全体的なバランスが整います。

これらの要素が作用し、鍼治療が様々な身体の不具合を整える手助けとなり、鍼を通じて心身ともに健康な状態を保つことができます。