鍼治療が重度の顔面神経麻痺に効果を示す理由についてはいくつかの医学的、理論的な解明に裏付けられています。
顔面神経麻痺、特にベル麻痺や外傷後の神経障害において、鍼治療が有効とされる理由は以下の様な事から証明されています。
1. 血行促進
鍼治療は、鍼を刺すことで局所的な血流を促進します。顔面神経が通る部位の血行が良くなる事で、神経組織への栄養供給が改善され、神経の回復を助ける事が出来ます。神経は非常に高いエネルギーを必要とするため、適切な血液供給が回復を早めるので鍼治療が効果的な理由となります。
2. 神経伝達の改善
鍼治療は、神経系にも影響を与えると考えられています。鍼を刺すことにより、体内で神経伝達物質(例:エンドルフィンやセロトニン)の分泌が促され、痛み軽減や神経の修復が進みます。また、鍼治療は自律神経系にも働きかけ、神経の機能を調整する作用があり、麻痺した神経の回復を助ける効果があります。
3. 炎症の抑制
顔面神経麻痺は、神経が炎症を受けることが原因で発生する場合もあります。鍼治療には、体内の炎症を抑える効果があり、特に急性期に炎症を軽減することで、神経の損傷を最小限に抑えることができます。
4. 筋肉のリラクゼーションとトレーニング
顔面神経麻痺によって筋肉の動きが制限されると、顔面の筋肉が萎縮します。鍼治療には筋肉の緊張を和らげる効果もあり、筋肉の弾力性を回復させる手助けをします。また、鍼刺激が麻痺した神経を活性化させ、顔面の筋肉を再教育することによって、筋肉の協調性や運動能力を改善する可能性があります。
5. 神経修復の促進
鍼治療によって神経細胞の再生や修復が促されるという医学的根拠も報告されています。鍼刺激は神経組織の再生を促します。
6. 東洋医学的アプローチ
東洋医学では、顔面神経麻痺は「気、血、津液(血以外の水分)の滞りや不足」といった概念で理解されることがあります。鍼治療は経絡を通じて「気、血、津液」を調整し、体内バランスを回復させるとされ、これが神経麻痺の回復に寄与すると考えられています。
結論
鍼治療は、血流の改善、神経伝達の促進、炎症の抑制、筋肉のリラクゼーション、神経修復の促進など、複数の生理的メカニズムを通じて顔面神経麻痺に効果を示すとされています。鍼治療が重度の顔面神経麻痺の回復を助ける具体的なメカニズムはこの様な事から証明されています。

秋山 俊之(あきやま としゆき)

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