昨日に初めて来院されたTさんは、5年前に『右耳の突発性難聴』を発症した患者さんです。
発症後すぐに耳鼻科でのステロイド投与をしましたが、回復せずにTVの砂嵐の音を聞いている様な感じと鼓膜が圧迫されるような感じがあり、右耳の聴力は殆どありません。
体調や天気、気圧などの変化で症状は少し変わる様ですが、上にあげた違和感は絶えずある様です。
先週くらいからまた右耳の違和感が強くなり友人から鍼を勧められて、当院にお越しになりました。
お話を詳しく聞いていくと、やはり過去の突発性難聴で来院された方達と同じで「肩こり」「睡眠不足」「ストレス」「疲れが抜けない慢性的な疲労」はありました。(「生真面目な性格」「冷え性」などの方も発症される方が多い傾向にあります)
東洋医学的にみると、腎・肝・脾の脈が弱く少し症状を拗らせている感じがありましたので、まずは「気」の流れを整えて、それから突発性難聴の鍼施術に入ります。
胃腸の不具合はストレス性の胃炎や腸過敏症などもありますが、東洋医学では消化器系は脾の経絡に属しています。
脈でも脾経の脈が弱かった事から患者さんに伺ってみると、下痢と便秘を繰り返すなどの症状がありましたので見立ては合っていました。
鍼施術は「気」(身体のバランス)を整えて突発性難聴の原因に直接アプローチしていきます。
【キーワード】は、①気のバランス、②耳に関わる周りの筋肉の柔らかさを取り戻す、③血流改善、④神経の活性化です。
5年前の発症ですが、今回1回目の鍼施術を終えた後は「耳周りが軽くなり、空気が通る感じがして楽になった!!」と言っていただけました。
この患者さんは、まず最初の1ヶ月は週に1回のペースでの通院という事になりました。
提携している耳鼻科のドクターは神経の圧迫や損傷などで起こった麻痺が、数ヶ月(3ヶ月程度)経過しても回復が見られない場合は、西洋医学的には症状固定(これ以上は回復しないと考える状態)とする場合が多いと言われていましたが、多少の年月が経っていても神経が新たな回路を作り再生するという事もありますし、血流が良くなる事で生きている神経の圧迫が取れて楽な症状が出ることも多くあります。
人間のカラダはまだまだ解明されていないことも多く、ケアーは早いに越した事はありませんが、鍼施術でカラダの状態を整えてあげる事で、もう変わらないと思っていた症状が好転する事がよくあります。
悩んでいる症状がありましたら鍼施術を試してみる価値はあります。
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秋山 俊之(あきやま としゆき)
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